2006年11月18日
紙ひこうき
ひとは たいしたことじゃなくても
それ自体に
意味を 持たせることができる
あぶらは空気中に ひろがって
夜中に落ちていく
建てることを切望しているのに
中身だけが ゴロンとしていて
外から 丸見え
でも隠そうとなんてしない
今 味わっている混乱は
致命的なものなんかじゃないし
記憶は時間が経つ程
ホントから離れていく
1世紀変わらないものなんてある?
あたり前って?
変化しつづけるのに
当たり前なんてない
それ自体に
意味を 持たせることができる
あぶらは空気中に ひろがって
夜中に落ちていく
建てることを切望しているのに
中身だけが ゴロンとしていて
外から 丸見え
でも隠そうとなんてしない
今 味わっている混乱は
致命的なものなんかじゃないし
記憶は時間が経つ程
ホントから離れていく
1世紀変わらないものなんてある?
あたり前って?
変化しつづけるのに
当たり前なんてない
2006年11月19日
2006年11月20日
青林檎
右の腰がザックリ切れていた。
でも恐ろしく痛みはなく、血もほとんど出ていなかった。
私には、やるべき事がたくさんある。
腰のことは忘れて、我無者羅に働いた。
ある日、顔の頬から顎にかけてブクブクに腫れて浮腫んだ。
それでも会社で昇進し、休むわけにはいかなかった。
でも恐ろしく痛みはなく、血もほとんど出ていなかった。
私には、やるべき事がたくさんある。
腰のことは忘れて、我無者羅に働いた。
ある日、顔の頬から顎にかけてブクブクに腫れて浮腫んだ。
それでも会社で昇進し、休むわけにはいかなかった。
2006年11月21日
規則
会社に着くと、誰もいなかった。
ここは、マンションの一室でとても小さい。
窓も小さいのが一つあるだけで電気を点けなければ真っ暗だ。
いつもの様に席につくと、昨日帰る時になかった封筒があった。
なんだろう。
中を見ると30万円入っていた。
すると、誰かが激しくドアを叩いた。
ここは、マンションの一室でとても小さい。
窓も小さいのが一つあるだけで電気を点けなければ真っ暗だ。
いつもの様に席につくと、昨日帰る時になかった封筒があった。
なんだろう。
中を見ると30万円入っていた。
すると、誰かが激しくドアを叩いた。
2006年11月22日
四つの窓
平日の昼間に、空いた電車に乗っていた。各駅停車だ。
ある駅に着くと、おばさんが乗り込んできて、ガラガラに空いてるのに、わざわざ私の隣に座って、
「あんた、開けてない窓があるよ。」
と、呪文のように言った。
「え?」
と聞き返すと、
「人には四つの窓があってね。
一つ目は、自分も他人も知ってる自分。
二つ目は自分は知ってるけど、他人は知らない自分。
三つ目は、自分の知らない、他人が知ってる自分。
四つ目は、自分も他人も知らない自分。
あんたは随分あけてないね。辛いだろうよ。」
と言って、
おばさんは嘘泣きをした。
ある駅に着くと、おばさんが乗り込んできて、ガラガラに空いてるのに、わざわざ私の隣に座って、
「あんた、開けてない窓があるよ。」
と、呪文のように言った。
「え?」
と聞き返すと、
「人には四つの窓があってね。
一つ目は、自分も他人も知ってる自分。
二つ目は自分は知ってるけど、他人は知らない自分。
三つ目は、自分の知らない、他人が知ってる自分。
四つ目は、自分も他人も知らない自分。
あんたは随分あけてないね。辛いだろうよ。」
と言って、
おばさんは嘘泣きをした。
2006年11月23日
キャッチ
「昼間、近所で猫が糞をして、しばらく臭い風が家の中を駆け巡っていたわ。その猫ったら普段から何か、人を寄せつけない豪華さを持っているの。」
と彼女は言った。
その時、どうしても気になることがあった。
一週間で彼女の髪が腰まで伸びたのだ。
目に見えることがすべてじゃないけれど、あまりに突然で彼女の体を心配した。
2006年11月24日
2006年11月25日
スープ
トイレの外で友達を待っていたら、突然知らない人に話しかけられた。
どうしても、その人は特別な人だと感じた。
店に案内されて、落ち着かずにいた。
すると、頼んでもいないスープが出てきた。
何故か、疑い深い私が疑うこともなく、一口飲んでしまった。
すると、得意の嘘も必要ないほど、平気になったのだ。
そして、必要なのはコレだとわかった。
2006年11月26日
食事
数年前、昔文明が栄えていた街を旅したことがあった。
そこでは、望めば様々な体験ができた。例えば、シンプルなベットで眠るか、素晴らしい細工のしてある昔の棺桶のレプリカで眠るかを選ぶことができたし、遺跡から出てきた小物の簡単な修復を見学したり、古代料理を再現したものをたべることもできた。
そして、私は旅の最終日に古代料理を食べてみることにした。それらは、日持ちがするように特殊な液体に浸けておいたものらしい。その中に、見た目は茶色いだけの肉があった。それを口にした時、それが口にしてはならない肉であることを知った。しかも、早く食べておけば良かったと後悔するほど、私の口に合ってしまった。
私は旅から戻り、ネットであの街の古代料理の真空パックを見つけて買った。 ある日、母が私の家へ遊びに来て、それを見つけた時、ドキッとしたけど、何の肉かわからなかったようだ。
私は、今もそれを定期購入している。
2006年11月28日
カラス
私は妊婦だ。
最近は用もなく町中を歩き回っている。でも、とても歩きづらいし、休むと立つ気がなくなる。
ある日、道端に3羽のカラスの死骸を見つけてしまった。3羽の内、1羽は体だけ轢かれたらしく、体は路面に貼りついていて、風が吹くたびに羽根だけが、
バサーッ
バサーッ
と端めいていた。
その日から、黒い服ばかり着るようになった。
しばらく経って・・・
私の背中に羽根が生えた。
2006年11月29日
誰そ彼は
〜黄昏〜
ある日から、目が覚めると午後の4時だった。
何時に眠りにつこうと同じだ。
ある時、夕方の6時に眠りについたが、次の日の午後4時に目が覚めた。
理由を考えてみた。
疲れすぎているのではないか?
しかし、ありえないだろう。
私は何もしていないのだ。
ほ・ん・と・う・に
何もしていない。
眠りたくなった。
また、明日も午後4時に目が覚めるのだろうか・・・
ある日から、目が覚めると午後の4時だった。
何時に眠りにつこうと同じだ。
ある時、夕方の6時に眠りについたが、次の日の午後4時に目が覚めた。
理由を考えてみた。
疲れすぎているのではないか?
しかし、ありえないだろう。
私は何もしていないのだ。
ほ・ん・と・う・に
何もしていない。
眠りたくなった。
また、明日も午後4時に目が覚めるのだろうか・・・
2006年11月30日
2006年12月01日
境界線
風呂に入っていた
戸の外で音がした
こんな夜中に何?
というより僕は独り暮らしだ
すると また物音が・・
静かに入ってるのね
と声を掛けられた
誰だ?
誰?
誰?
ダレ?
苦しくなってきた
プハッ!
目が覚めた
風呂で溺れかけてしまった
情けない
あぁ 夢だったのか・・・
すると戸の外で物音がした。
2006年12月01日
すこしだけ
尻の痺れがとれたら座り
手の痺れがとれたら食事し
足の痺れがとれたら立ち上がり
立ったら めまいがする
横になっても星が飛び
倒れないように意識すると
頭痛がした
横になったままだと
どこの痺れもとれにくい
どこの痺れもとれにくい
ひどく疲れる
動いてないのに
めまいがやってきた
混乱して涙が出てきた
でもコレ以上泣いたら
疲れて
自分のことすら
自分で出来なくなるから
泣き続けることも
できない
2006年12月02日
尋問
「はい。彼女とは何度か会ったことがあります。」
そう・・・
彼女のことは随分前から知っていた。
彼女は、僕の着ていたシャツを指差し、
「その色、好きよ。」
と言ってくれた。
男なら、彼女に興味あるはずだ。
しかし、この男は何だろう・・・
さっきから、見当違いの質問ばかりしてくる。
「もう、いいですか?」
「なんで?」
「彼女が心配なんです。」
そう・・・
彼女のことは随分前から知っていた。
彼女は、僕の着ていたシャツを指差し、
「その色、好きよ。」
と言ってくれた。
男なら、彼女に興味あるはずだ。
しかし、この男は何だろう・・・
さっきから、見当違いの質問ばかりしてくる。
「もう、いいですか?」
「なんで?」
「彼女が心配なんです。」