オオサカジン

  | 大阪府

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2006年11月22日

四つの窓

平日の昼間に、空いた電車に乗っていた。各駅停車だ。
 ある駅に着くと、おばさんが乗り込んできて、ガラガラに空いてるのに、わざわざ私の隣に座って、
「あんた、開けてない窓があるよ。」
と、呪文のように言った。
「え?」
と聞き返すと、

「人には四つの窓があってね。
一つ目は、自分も他人も知ってる自分。
二つ目は自分は知ってるけど、他人は知らない自分。
三つ目は、自分の知らない、他人が知ってる自分。
四つ目は、自分も他人も知らない自分。
あんたは随分あけてないね。辛いだろうよ。」

と言って、

おばさんは嘘泣きをした。



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Posted by masayo at 10:23│Comments(3)Black
この記事へのコメント
これは、ノンフィクションです。
Posted by 雅代 at 2006年12月13日 20:16
空いてる平日の電車。
そのおばさんがミカンを勧めているのは 私にではなくてガラスに映った自分にでした。 
私の向かいのおばさんと ガラスに映ったおばさん。しばらくは和やかに話し込んでいたのだけど、だんだんと険悪な雰囲気に・・・
おばさんの表情が変わってゆく様が怖くなり、席をたった。
15年くらい前の出来事。
Posted by じ at 2007年02月12日 20:38
空いてる電車は乗ったらあかん?!
Posted by masayo at 2007年02月13日 00:27
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