2007年01月19日
嘘
最近、私は笑ってばかりいた。
彼の嘘に気づいて、まるで雨が止むように笑いが止まった。
あれ?
あの空に差す光は何?
何か見てはいけないものを見てしまった気がする。 すると、知らない内に、知らない少女が近くにいて、あの光じゃなく、私を見上げていた。
彼女は、何でも知っているみたいだった。でも私は本当のことを知りたくなかったから、何も聞かなかった。彼女から何か話すこともなかった。
そして、また空を見上げた。もう彼女は傍にいないと知りながら。
もう、何も気にしないことにした。
2007年01月20日
トイレ
便意をもよおした。
トイレを探す。
大きな建物を発見した。 ここならトイレがあるだろう。
その建物は、近づいてみると・・・・・
なんと体育館ほどの大きさだった。
中へ入ると、トイレだらけだった。
洋式・和式・水洗・汲み取り式・・・・・
高さも色々で、数年前に中国で見た様な溝だけのものや、壺、女性用立ち小便器もあった。
もう、何百戸あるかわからない。一つ一つ見ていくが、すべて排泄物で一杯になっていて、使えない。
でも、不思議と匂いがなかった。
2007年01月21日
シュガートレイン
私は高山に住む家に下宿している。
ある朝、一家で飼っているシマウマが子どもを産んだ。
その家の13歳の娘が生まれたばかりのシマウマに酸素マスクを付け、自転車の前籠に載せていたので
「なんで?」
と聞くと、
「この子を頂上に連れていく!」
と言う。心配なので、私も酸素マスクを付け、二人乗りした。
「お父さんが先に出てるわ!急ごう!」
と彼女は言って、猛スピードで出発した。彼女は上手く運転したから怖くなかったけれど、物凄い崖も凄い勢いだった。
しばらく行くと、雪道になりだした。
すると急に大きくて長い、車のようなスピードで動く甲殻類のようなものに出くわした。
物凄い恐怖だった。
彼女は、とにかく上手く避けたが、先からどんどん巨大生物らしきものが来る。またもや車のようなスピードだ。
そして何十頭も通り過ぎた頃、一頭が突然
幕(皮?)がめくられ、中に何人か乗っていて
タイヤもついていた。
2007年01月22日
宿
安宿が見つからない。
近くにいた知らないおばさんが、
「家に泊まっていきな。」
と言ってくれた。勇気がいったが、お言葉に甘えることにする。
おばさんは一人暮らしだった。そして、大きな家に住んでいた。
「どの部屋を使ってもいいよ。」
と、おばさんは言うけど、どの部屋も一人で寝るには怖すぎた。とにかく部屋を選んで寝ていたら、部屋に男が入ってきた。
おばさんは、おじさんだったんだ!
と思ったところで目が覚めた。
どこから夢だったんだろう・・・
辺りを見回すと、夢の中と似た怖い部屋に一人で寝ていた。
2007年01月22日
狩人
山を歩いていた。
そこにあるとわからない場所に、聖母マリアに似たお地蔵さんがあった。なんだかバツが悪かったから、すぐ傍に落ちて半分黒くなったバナナを2本供えた。 すると、近くを制服を着た少女が走って山を降りるのが見えた。
彼女が行った方へ行くと・・・
山を降りているはずだったのに、気付くとビルの階段を降りていた。
階段の踊り場の長椅子に、山を降りる前に見た少女の鞄を見つけた。鞄を開けると、大量の現金が入っていた。誰かに見つからないうちに、金をポケットに詰め込み始めるが、いっぱいありすぎて終わらない。
人が来るのでは!?
と焦る。
見上げると、さっきのお地蔵さんがいた。
2007年01月22日
息抜き
仕事の合間に街に寄った。
着いたのは夜だけど、明日の朝にはここを発つ。まずは仕事仲間5人で屋台に座り、酒を飲み、つまみを頼んだ。
外に立ってるボーイ達は、どの店からでも買ってきてくれるし、下手な手品もしてくれた。軽く酔ったところで、皆で買い物へ出掛けた。
まだまだ店は開いている。
途中から、それぞれ別行動することになった。
私は一人でブラブラした。
なんて楽しい街なの!
そして、世間は狭い。
さっきのバーで仕事仲間の男を振った女に遭遇し、別行動していたはずの仕事仲間にナンパされた。
あぁ、喉乾いた。もういいや。
朝になった。
全員集合し、次の仕事場へ向かった。
2007年01月23日
犬
旅の途中で、道に迷ってしまった。
更に、うろうろしてしまって、随分暗くなっていた。
しばらくして、少し先に小さな灯りを見つけた。嬉しくて走っていくと、
河童がいっぱい家から出てきた。
河童村で一晩明かした。
次の朝、顔を洗うついでにたまっていた洗濯物を洗面台で洗っていたら、叱られた。
「洗面所には、神様がおられるので、汚れを流さないように気をつけて下さい。」
と最後に言われ、村を出ようとした時、
「山へ行け!」
と村内アナウンスが流れた。犬がそのモノマネをしだし、いつのまにか皆が笑っていた。
2007年01月24日
開けてない扉
友達の幼い娘が病に冒されなくなってしまった。
通夜に行った。お坊さんが、お経を上げているところだった。列に並び、お焼香の順番を待っていた。
私の順番が次になった時、突然棺桶が開いた。
少女が体を起こし、目を輝かせ
「すごいキレイなお花畑やったぁ!すごいキレイやった!すごいキレイやった!」
と言って、また横になった。
ほとんどの参列者は、腰を抜かしていたけれど、友達は喜んでいるように見えた。
2007年01月24日
2つのヒカリ
彼は、
「目をつぶると暗闇の中の小さな点のように光るヒカリが神だ。」
と言った。
それは希望で信じるべきものなのだそうだ。
ヒカリのほうへは行ってはいけない。
でも、ヒカリは2つある。
この世に太陽は1つしかないというのに・・・
宇宙に反射して光る、闇に射すヒカリ。
2007年01月25日
最初の一歩
何かが迫ってきている
何か・・・・・
追われているのではなく
近づいてきている
古いものの持つ記憶
その一角に小さな入り口があった。
呼吸に神経を集中し
爪先を前に
もう後先考えない
遠くで誰かが大声で呼んでいる