2007年01月23日
犬
旅の途中で、道に迷ってしまった。
更に、うろうろしてしまって、随分暗くなっていた。
しばらくして、少し先に小さな灯りを見つけた。嬉しくて走っていくと、
河童がいっぱい家から出てきた。
河童村で一晩明かした。
次の朝、顔を洗うついでにたまっていた洗濯物を洗面台で洗っていたら、叱られた。
「洗面所には、神様がおられるので、汚れを流さないように気をつけて下さい。」
と最後に言われ、村を出ようとした時、
「山へ行け!」
と村内アナウンスが流れた。犬がそのモノマネをしだし、いつのまにか皆が笑っていた。
2007年01月24日
開けてない扉
友達の幼い娘が病に冒されなくなってしまった。
通夜に行った。お坊さんが、お経を上げているところだった。列に並び、お焼香の順番を待っていた。
私の順番が次になった時、突然棺桶が開いた。
少女が体を起こし、目を輝かせ
「すごいキレイなお花畑やったぁ!すごいキレイやった!すごいキレイやった!」
と言って、また横になった。
ほとんどの参列者は、腰を抜かしていたけれど、友達は喜んでいるように見えた。
2007年01月24日
2つのヒカリ
彼は、
「目をつぶると暗闇の中の小さな点のように光るヒカリが神だ。」
と言った。
それは希望で信じるべきものなのだそうだ。
ヒカリのほうへは行ってはいけない。
でも、ヒカリは2つある。
この世に太陽は1つしかないというのに・・・
宇宙に反射して光る、闇に射すヒカリ。
2007年01月25日
最初の一歩
何かが迫ってきている
何か・・・・・
追われているのではなく
近づいてきている
古いものの持つ記憶
その一角に小さな入り口があった。
呼吸に神経を集中し
爪先を前に
もう後先考えない
遠くで誰かが大声で呼んでいる