貸店舗

masayo

2006年12月20日 01:13




いつもの様に、仕事帰り最寄り駅から

家に向かって歩いていた。
物心のつく、

ずっと前からあった

駅前のダンス教室が閉まって、


「貸店舗」


の貼り紙が貼ってあるのに気がついた。



なんだか、

妙な

喪失感に襲われた。



でも、すぐ

何事もなかったように

歩いていた。





酒屋を通り過ぎた辺りで

中学の時の同級生に声を掛けられて、



はっ! とした。



「今、おまえ時間ある?

あったらさ、あのダンス教室行ってみないか?」

「でも、あそこ

貸店舗

の貼り紙が・・・」


「いいから、いいから。」


と、言われるがまま道を引き返すことにした。





彼は慣れた様子で中へ入って

「父さん、友達連れて来たよ。」

「おう!彼女か?」

「違うよ。」


何だか、少し呆れながら辺りを見回すと、

母が和服で来ていた。



いったい何故?



母は特別な時しか、和服を着ない・・





 あぁ、そうか。
ここをやってたおばさんが亡くなったんだ。





トイレに行きたくなって、探したけど、

今いる階にはなさそうだった。


ウロウロしていると、階段を見つけた。

見上げると





果てしなく続くのでは?




と思うほど、長く続く階段であった。



はっ!?


早くおばさんに教えないと!

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